大学卒業後、アイリスオーヤマ株式会社、株式会社第一勧銀情報システムにて開発や営業に携わる。特許実用新案10数件取得。グッドデザイン賞受賞。30代から米国、韓国にて現地在住日本人のためのコミュニティに従事し、現在は関東に在住する。
Osaka University of Art. B.Design.
Torch Trinity Graduate University. M.Div.
interpreteXは、既存の同時通訳システムを実際に保有運用していた中から生まれました。購入するにもレンタルするにも高すぎる価格、途中でイヤフォンを外したくなる雑音、混信がひどく都会では使えない、貸出や回収に電池交換といったメンテナンス、手をかざすだけで聞こえなくなる赤外線、不満だらけでした。
そんな時、発売されたばかりのiPhone3GSを見ながら、ローカルエリアに限ってスマートフォンに放送をすれば品質も安定し、受信機を買い揃える必要もなく、全て解決できる、と考えるようになりました。しかし海外でマスターコースを学ぶ学生には開発する機会も資金もありませんでした。
ある日、国際結婚をし、悩みながら異国の地で子供を育てるお母さんが、子供を抱えセミナーにやってきました。赤外線の通訳機を耳にし、熱心に学んでいたのですが、子供は容赦無く泣きます。すると授乳室に追いやられてしまいます。ところが赤外線は授乳室までは届きません。そこで子供が寝静まると会場にやってき、泣くと戻るということを何度も繰り返しました。その時からinterpreteXの開発が始まりました。
はじめはローカルエリア内で音声が配信されるシステムを開発しました。幸運な事に常に数千人が集まるというイベントでテストが繰り返され、多チャンネル対応や自動音声補完システムが搭載されたりと、様々な改良が施されました。大手企業やイベントにも利用される様になり、弊社の名前は業界では知られる存在となって行きました。
そんな時、シンガポールエキスポでのイベントを受注して会場にいってみると、50を超えるWi-Fiアクセスポイントが設置されていました。すぐに電波調査をすると空いているチャンネルがほとんどなく、安定した配信が行えませんでした。クライアントの失望した顔は今も忘れる事ができません。クレームがひと段落した時、以前から考えていた新しいシステムの開発を決心しました。それはクラウドでした。
日本に帰国後、仕様書を手に協力してもらえるソフトハウスを探し歩き、テストを繰り返し、開発も佳境を迎え、近くinterpreteXを発売します。interpreteXには今まで受けてきたクレームすべてをメリットに変える、知恵とアイデアが入っています。特にSpeech-to-Textとの連携により、聴覚障害者にも同時通訳を届ける事が可能となりました。また、スピーカーの音声もテキスト表示されるのは、同時通訳者にとって鬼に金棒でしょう。遠隔同時通訳を実現するサービスもすべてinterpreteXに揃っています。これらがプラットフォームとなり、誰でも自由に利用する事ができるようにもなりました。
interpreteXをご利用になられた方からは「音が良い」「アプリレスが便利」「4Gでも聞ける」「遠隔同通がローコストで実現できる」といった嬉しいコメントが届き、今までの苦労が報われる思いです。ABELONはこれからもお客様の驚き喜ぶ声を聞くため、開発を続けます。